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珍好き、レトロ好きのみなさんにはおなじみの
青森県八戸市にあります元遊郭で今は旅館の
新むつ旅館に泊まってきました。

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ざっくりと説明しますと遊郭は
時の有名人、豊臣秀吉が1585年ごろ
京都につくったのがはじまり。
船着場として商取引が多かった八戸には
回漕問屋や船宿、商店などが軒を連ね、
江戸時代ごろからこの新むつ旅館がある
小中野地区に遊郭が存在、毎日お祭り騒ぎで大賑わいだったそう。

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全盛期には39軒もの貸座敷が立ち並び
100人以上の芸者や見習いがいたという。
新むつ旅館の前身は明治31年に創建され
貸座敷(遊郭)として営業していた「新陸奥楼(しんむつろう)」。

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1957年に売春防止法が施行されたのを機に、
多くの遊郭が旅館や料亭などに転業。
新むつ旅館は東北屈指の歓楽街といわれた
華やかな世界や歴史、風格をいまに伝え
体験できる貴重な旅館なのです。

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両開きの玄関戸を開け
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えると
新むつ旅館、最大の見どころが早速登場。

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コレコレ~!!!
新むつ旅館名物、Y字の階段!!
黒光りした手すり、歩くごとにきしむ床。
120年の歴史を肌で、空気で感じられる瞬間。

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2つにわかれた階段をあがった2階が客室。
さらに渡り廊下が部屋をつなぎ、
吹き抜けからあたりを見渡すときは
ああ、やっとここに来れたと、旅情と充足感でおなかいっぱいに。

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▲空中を歩き夢心地気分になれる渡り廊下。

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▲一部の手すりだけゴツイ木でできている。

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▲廊下にへばりつく神棚。

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▲長い歴史を見つめるおかめ。

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▲随所に手の込んだ意匠がちりばめられ、興奮が止まらない。

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部屋の裏には狭い廊下があり、細くて急な階段もひっそりと存在。
遊郭時代の独特のつくりを見つけると、サブカル好きはテンションがアガる。

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▲鶴をあしらったくぎ隠し。

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梅の花のくぎ隠しの上には
将棋の駒に書かれた部屋番号。
これは将棋と娼妓をかけたものだとか。
くぅ~!粋な演出!!

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こちらは今回わたしが泊まった6畳の小部屋。
ひとりなのでこれで充分ですね。

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場合によってはこちら、二間続きの大部屋も。

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▲ふすまの前に掛かっているのは、芸者見習いの着物。

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▲開業当時からある柿の木の鏡台。

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▲Y字階段の向かい側はかつての帳場。

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▲いかにも歴史のありそうなタンスや食器が整列。

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旅館中にあふれるお宝の中でも
一番注目なのがこちら。
明治、大正時代の顧客の帳簿
その名も遊客帳。

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中には、何月何日何時何分、
住所氏名年齢、遊興費、相手をした女性の名前。
さらに客の特徴まで、事細かく書かれている貴重なもの。

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主人は帳場にいるので客の顔は見ていないため、
相手をした女性にどんな人だったのかを聞いて
主人が書いていたんだとか。
客の多くは漁師であり、大金を持つと犯罪も多かったのか
客の特徴が書いてあるのは、警察が来た時に見せるためだそう。

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こちらは大福帳と書かれた、収入を記したもの。
どこのだれがなにを食べていくら使ったのかが、丁寧に書かれていておもしろい!
達筆すぎて読めないものもあると女将さんが説明してくださいました。

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こちらは遊郭がヒマな時に、コレにヒモをつけて
コロコロ転がしながら廊下を歩き、来客祈願に使われたもの。

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芸達者で美人と評判だった八戸の芸者さんたちは
絵はがきなどに頻繁に登場するほど。

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昭和のはじめごろの写真が大量に残されていて感動。
時代劇以上にリアルな世界を見ることができます。

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▲見るからに楽しそうな宴会風景。

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▲こんな、絵に描いたようなよっぱらいが本当にいたんですね。

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周りの女性に笑われながら、
男性の腕を持っている女性は、この男性のことが好きなのでしょうか。
青春を垣間見るステキな一枚です。

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夕食やお風呂などは、隣接する別館の方で。
以前は別館の2階に、現在は使われていない
洋室タイプの部屋があったんだそう。

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食事は実家のような雰囲気のある食堂で
テレビを見ながら女将さんの手料理をいただきます。

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三陸名物、ホヤの刺身!
はじめて食べた独特の味!!
新鮮だからこそ食べられるおいしさは、ココでしか食べられないレアな一品。
青森に来てよかった~!!

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久しぶりに帰って来た息子のごとく、次から次へとたくさんおかずが出てきてうれしい悲鳴。
どれもこれも庶民的な味で箸が止まらない!!
わたくしが全部、おいしくいただきました。

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さて、一夜明けて朝の新むつ旅館です。
夜には見えなかったところを、くまなく見ていきましょう。

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屋号が刻まれた鬼瓦、
大きな格子窓、
ゆがんで見える透明のガラス戸。
新むつ旅館は2007年に国の有形登録文化財に指定されたものの、
その補修費用などは全部自腹。
2010年には利用客らの寄付で土台を改修。
しかし毎年どこかを直しながらの営業。
120年も経ってたら、そうなっちゃいますよね。

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くぎを一本も使わず、随所に当時最先端の建築技法や意匠が施された新むつ旅館。
文化財に泊まる最高の贅沢を味わいに外国人も多く訪れてるもよう。

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貴重なお宝とレトロな雰囲気、
独特の遊郭建築を味わいにぜひ泊まりにいってみて。


新むつ旅館

住所: 青森県八戸市小中野6-20-18
TEL: 0178-22-1736
※予約は電話で。




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