産業遺産好きのみなさんお待たせしました。
山形を訪れる人なら誰もが訪れることでしょう
山形が誇る近代化産業遺産の最高傑作
旧済生館本館にやってまいりました。

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素人でもわかる美しさ
簡単に説明するとこちらは明治11年に完成した山形県立病院。
昭和41年、この建物すばらしいわ!文化財にして保存しよ!となり、昭和46年、現在の公園内に移築保存され“山形市郷土館”として無料で見学できるようになりましたとさ。
めでたしめでたし。

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この建物の永久保存ポイントは、擬洋風建築。
擬洋風建築とは、欧米の建築を日本の大工職人がまねして建てた建造物で、一見洋風っぽいんだけど、よく見ると洋風、和風、中国風といろんな要素を取り入れているところが特徴。
擬洋風建築は幕末から明治10年代までに、山形県内にたくさん作られたんだけど、そのほぼすべてがなくなってしまい、これだけが唯一現存するものなんだって。
そりゃ大変だ!!保存しなくちゃ!!

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旧済生館一番の見どころは、この三層楼と称されるイカした真正面。
1階は8角形、2階は16角形のドーム屋根、1番上はまた8角形の小部屋が取り付けられています。
パッと見3階建てなんだけど、ベランダは4つあるという摩訶不思議建築。
内部は実際4階建てになってるらしいんだけど、見学できるのは2階まで。
およよ。

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16角形の大広間がある2階部分のベランダ。

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3階部分のベランダの窓には、すてきなステンドグラスが。

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1階のベランダの軒や柱には、見る人が見れば感動する珍しい構造や装飾が並び、中に入らずとも充分楽しめる見応え。

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ベランダの下にも細かい装飾。

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外壁の板は横方向に重ね、目を下向きにして、雨水が中に入らないように仕上げた構造。
窓の雨戸のような扉は“鎧戸”と呼ばれ、通風、採光、雨よけのため、傾斜のある板を横に並べて、板と板の間に隙間がある仕組み。
いまでいうブラインドカーテンですね。

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外観を充分堪能したらいよいよ内部へ。
三層楼の横には回廊が付属していて、これが14角形のドーナツ型。
外からじゃわからなかったけど、めちゃくちゃかっこいいなあ!

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回廊の中央は日本庭園になっていて、360度から眺めることができる。

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回廊は8つの部屋に区切られていて、それぞれ診察室や待合室などに利用。
こんなおしゃれな病院あったら通院したいな~!!

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現在残っているのは下の方にある一部のみだけど、かつてはこれだけ広くて迷路みたい!
どこの病室に寝泊りしよっかな~??

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裏側から見た三層楼。
こっちから見ると3階建てにしか見えない。

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この建物の模型を見ると、ますます不思議な作りをしていることがよくわかる。

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回廊内の旧診察室には、昔の医療器具や済生館の歴史資料などが並べられ、眺めるだけでわかったような気持ちにさせてくれる。

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見よ!これが!
浴びれば一発で治りそうな
X線発生装置だ!

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昔の視力検査表。
絵がチョウチョやイヌになっててかわいい。

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こちらは2階へと続く階段。
スロープのようなゆるい階段を奥へ進んでいくと

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渡り廊下のような作りに変形して再び階段になり、2階へ続くというおもしろ構造。

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そして三層楼に入ったらめちゃくちゃ急ならせん階段。
ケヤキでできていて、見事な唐草の彫刻。
中も外も見どころ満載の旧済生館本館。
山形旅行の際にはぜひ。


山形市郷土館(旧済生館本館)

住所: 山形県山形市霞城町1-1
TEL: 023-644-0253
開館時間: 9:00~16:30
休館日: 年末年始




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