白浜の海に浮かぶ夢の城、ホテル川久を目撃した衝撃から7年も経ってしまいました。
ようやく訪れた念願のビッグチャンス!!
ホテル川久に泊まってみた!!

前回の様子はこちら↓


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青い空に映えるオレンジの屋根。
あれこそが1991年、バブル絶頂期に誕生した夢の城、ホテル川久です。
もともと「旅館川久」として1949年に創業。
昭和天皇も宿泊した白浜では屈指の木造純和風旅館だったそうな。
当時からお客様を喜ばせたい!の一心で、私設雅楽団を持ち、連日雅楽を上演したり、猿芝居や、日本で初めての生バンド付きカラオケを開催。
多くのお客様に愛されて40周年を機に、1989年、2代目社長とその妹がバブルの勢いに乗って「世界の数寄屋ホテル」を目指して全面建て替え!いいね!やっちゃえ!!
(数寄屋とは、金持ちや権力者が茶の湯を楽しむための空間を、高価な材料と最高の職人を使ってさりげなく贅沢な仕事をさせ、それがわかる客を驚かし楽しむ建物のこと。)

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世界中から超一流の資材と職人をかき集め、総工費400億円をかけ、1991年ついに夢の城「ホテル川久」完成!!
その姿は西洋でも東洋でもどこでもない、唯一無二のここだけのものに。
どうですか??この、わがままな王様が作らせた金持ちの道楽。
おとぎ話でしか聞いたことないよね??

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1991年開業当初は会員制で、会員権は2000万円から!
だったらもちろん全室スイートルーム!!
庶民は近づけない、特別な社交界が形成される場所でした。
がしかし、1995年、わずか開業から5年足らずで経営破綻。
ここがハリウッドセレブ御用達のリゾート地だったらよかったんですが、あいにくここは和歌山県の白浜。
日本の金持ちじゃあ「いいものを見る目」を持ち合わせてなかったんでしょう。

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その後1998年にリゾート経営ならおまかせカラカミ観光が30億円で買収。
そのおかげで、わたしたち庶民でも手の届く高級ホテルになりましたとさ。
カラカミ観光さん、ありがとうございます!
とはいえ多くの期間が2名さま以上でしか宿泊できません。
しかしほんのわずかなタイミングで、1人で泊まれるチャンスがある!ので、泊まりたい方は予約状況を常にチェックしよう。

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そんなわけでいよいよ川久へ近づいてまいりましょう。
どうですか?周りの景色となじまずに、とびきり異彩を放つその姿。
王様にでも会いに行くような緊張感と高揚感が増します。

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ホテル川久には宿泊しなくても、中を見学することは可能。
2020年、突然「所有してるお宝見せちゃう!」と自らホテルを川久ミュージアムと名付け、気軽にいろいろ見せてくれることに。
これはぜひとも見たい!!

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というわけで、外観から見ていこう。
まず一番目につくのがこのオレンジの瓦。
これは瑠璃瓦というもので、中国北京の紫禁城と同じものを使用。
かつて皇帝以外使うことが許されなかった「老中黄」という色を、初めて、しかも国外で使われたのは、長い歴史上唯一。しかもそれが47万枚。
なにそれ?なんで?今までダメっていわれてたものがひっくり返るの?
当時のオーナーってどんだけの権力者なの?

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なにやら美しい出窓は、画家ジョルジオ・チェリベルティ氏と金箔職人ロベール・ゴアール氏のコラボ。
東洋の鳥と桜が描かれている。

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美しいカーブを描くひさしは、高知城にも使用された土佐漆喰仕上げ。
塗り継ができないように60人の左官職人が24時間3交代で一気に仕上げた豪快な施工。
これだけの偉業、さすがにプロジェクトXか情熱大陸に取り上げられてるのでは??

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城のマスコット的に目立つのが、幅6m・高さ5mのブロンズ製のうさぎ。
これまたその筋では超有名という彫刻家、バリー・フラナガン氏によるもので、川久のために作られた特注品であり、世界最大サイズ。

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レンガはイギリスでは有名というIBSTOCK社に外壁のデザインを依頼。
使用されたレンガは73種類140万ピース、3500トン。
施工には最盛期で約80人もの職人が作業したという。

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どこをどっから見上げても、素人目でもわかるすごさ。
これはぜひとも現地で、その目で見てほしい!
ではいよいよ中へ入ってみましょう。

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うっひょ~!!!
何度見ても興奮と感動するこれぞ、ホテル川久一番の見どころ、金箔天井!
フランスの人間国宝、ロベール・ゴアール氏が5センチの正方形サイズのドイツ製金箔を1枚ずつ手作業で貼り付けたというもの。その枚数、約19万枚!!
この広さの天井に19万枚の金箔を手作業で貼らせるなんて、今の時代ならパワハラだっていわれませんか?

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金箔の純度は22.5金。
これは、陽にあたる時、もっとも美しくロビーを照らすように計算されているという。

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とはいえ日が暮れてから照明に照らされる金箔はまた、色が映えて美しいのなんの。

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足元に広がるのはローマンモザイクタイル。
1センチ角のモザイクをイタリアのモザイク職人集団が、これまた1枚ずつ手作業で床にはめ込んだもの。

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ロビーにしれっと置かれているのはピアノ好きなら驚くのでしょう。
とんでもなく高級で有名な、スタインウェイ&サンズ社のハンブルグ製特注ピアノ。

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その奥に並んでいる独特なデザインの衣装は、ホテル川久創業当時の従業員の制服。
ファッションショーでしか見たことがないような奇抜で個性的なデザインは、川久に来ること=夢の世界に入ることを演出。

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黄金に輝く独特な形の螺旋階段は、天井から太いワイヤーで吊り下げられていて空中に浮かんでいるように見えるデザイン。

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そしてなんといってもこの美しい柱。
左官職人がドイツに渡ってわざわざ習得してきた、人の手で大理石の模様を作る技術「シュトックマルモ」技法で仕上げたもの。
デザインのパターンは6種類が4本ずつあるらしくて、同じに見えないように模様の向きを変えてあるとか。
そのお値段、柱1本1億円!それが24本!!

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田辺湾を一望する6mのガラス窓が並ぶラウンジ。
天井からはベネチアンガラスのシャンデリアがぶら下がり、ここの床にも美しいモザイクタイルが。

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壁面はフランスの職人が施工した、フランス産ライムストーンの壁。
その壁にはシリアで発見されたビザンチンモザイク画がはめ込まれていて、これらは2世紀に制作され美術的にも価値が高いものだそう。

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空いたスペースには川久が見せたかったお宝の数々が並ぶ。
これだけコレクションが集められる人ってどんな人なの??
空恐ろしくなってきたな。

その②へ続く↓




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