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山陰海岸沿いに立つ、香美町立ジオパークと海の文化館にやってきました。
名前からして特別おもしろ味を感じない大まじめ施設になぜ?とお思いでしょう。
そこからおもしろさを見つけるのが私の使命と勝手に思い込んでやっとります。

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まちのお金で運営されてるここはなんともうれしい入館無料。
入ると早速、余部(あまるべ)鉄橋の鋼材、実物の小代スギ、大きなマグロが並び、香美町の名産をアピール。

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1階は山陰海岸ジオパークのことや、日本海のなりたち、地形を利用した人々の暮らしや産業、特産品の紹介。
おそらくまちの子供たちも社会見学で真っ先に連れてこられるのでしょう。
わたしだったらこのコーナーは「ふ~ん」と素通りしちゃうな。

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2階は日本海に生きる人々の歴史をたどるコーナー。
ここでは江戸時代に日本海を行き来した北前船や、昔の漁で使っていた船の展示。

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こちらは香美町の特産品、ベニズワイガニの漁業や、いか釣り漁業の紹介。
さらに魚群探知機やエンジンの実物展示も。
唯一触ることができる底引き網漁船の操縦部分はきっと、ちびっこたちが行列作って遊ぶんだろうな~

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写真ではわかりにくいけど、これはさまざまな漁法を立体的に紹介するコーナー。
漁船が上の方に並び、海中で網がどんな風に広がっているのかがよくわかる。

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さて、お待っとさんでした。
ここ一番の見どころがこちら。
2階の片隅にある日本海の生き物コーナー。

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中に入ると、おお~!!
魚の剥製がいっぱいある!!

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この魚の剥製、境港の海とくらしの史料館にあったものと同じだ!
色鮮やかでめちゃくちゃキレイなんだよな~

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この剥製を作ったのは、種 政幸という人。
魚の美しい姿を保存できたら、世界中の魚を多くの子供たちに見せてやることができる!との熱い思いから、剥製の制作を続けてきたのだそう。

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ここには約120種・160点の魚類、甲殻類の剥製他、60点の貝類を展示してあるらしいんだけど、説明をよく見ると、約120種の下にうっすら450種、160点の下に1400点、60点の下に1700点という文字が透けて見える。一体なにがあったんでしょうか。

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部屋の中央には、さすが地元の名産カニコーナー。
いろんな種類のカニが並んでいる。

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いろんな商品に活用されそうな、実用的な形をしたカニ。
この形でコンパクトケースや印鑑入れとかあったらおもしろいね。

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ごついタラバガニの手前にはカラフルなカニ3種類。
南の海にいるのかな?

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これが、香美町の特産品、ベニズワイガニ。
近畿では唯一、香美町の香住港でのみ水揚げされるんだとか。
そしてそのベニズワイガニは香住ガニと呼ばれ、わかりやすくブランド化。

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爪で挟まれたらめちゃくちゃ痛そうな、タスマニアオオガニ。

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カニの中で一番おいしいといわれるアサヒガニ。
南日本でよく食べられているとのこと。
食べてみたい。

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▲カラクサオオセブカ

カニの頭上には、ぶら下げられたサメのコーナー。
サメのハイライトといえばやはり歯。
抜けては生えるを繰り返す、無数に並ぶ歯に注目。

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この歯は一体なんなんだ??
おもしろい口元のネコザメ。

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▲マオナガ

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▲アイザメ

ちなみにこれらのサメは主に、練り製品の材料になるとのこと。
知らないうちに私たちも食べてるんですね。

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魚の剥製の魅力はなんてったってこの鮮やかな色。
ほぼ生きてる状態の色のまま保存できるってんだからすごいよね。
そして、水族館ではすばしっこくてうまく撮れない魚も、こうして剥製になってしまえばじっくり観察できるってのも素晴らしい。

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水族館ではたいてい、水槽にひっついた状態でいるコバンザメ。
こんな魚らしい姿で見られるのは剥製ならでは。

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水族館ではたいてい、土管の中にいるウツボもこうして、全体像が見られるのも剥製ならでは。

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これらの剥製はすべて、まず魚の肉と骨を取り出し、皮だけの状態にしたあと、薬品に着け、そのあと砂や粉を体内に詰めて乾かし、樹脂を塗って、詰めたものを取り出して完成。
大きさによって数か月から1年かかるらしい。
作ってる最中から傷ついたり崩れたりするだろうから、めちゃくちゃ手間ひまかかってるんだな。

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ヒレの1本1本や、模様もキレイに見えて美しい。
生きてる魚より色鮮やかでキレイなんじゃないの??

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フグは膨らんでこそ、個性が発揮される。

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くちの中をのぞくと中はもちろん空洞。
肉も骨もなく、薄い皮だけなので、少し透けて見える。
だからより色が鮮やかに見えるんだなあ。

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水族館では砂に潜った状態でしか見たことがないひらめ。
こうして魚を間近でじっくり見れるって、水族館では意外とできないよね。

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ほんとだ!
“左ひらめに右かれい”の言葉通り、ひらめの目は左についてて、カレイの目は右についてるぞ!
水族館だと複数の種類が1つの水槽に入れられてて、正直どれがどの魚か?ってわかりにくいけど、剥製ならひとつひとつに解説がついててわかりやすい!

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珍しいリュウグウノツカイは額縁に入れられて大切に展示。

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なんとなく余白が多く感じるのは、やはり数が減ってしまったからでしょうか。
余ったスペースは大きな魚でカバー。

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持てあますように広い、2階の企画展示スペースでは、なにやら絵が並んでるなあと近づいて見てみると。

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ここにもあるんかい!
額縁に入った魚の剥製!!
魚の剥製、めちゃくちゃキレイなので、ぜひ見に行ってみよう!

ここにもいっぱいあるよ↓



香美町立ジオパークと海の文化館

住所: 兵庫県美方郡香美町香住区境1113
TEL: 0796-36-4671
開館時間: 9:00~17:00
閉館日: 水曜日、12月29日~翌年1月3日





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