珍しくめちゃくちゃまじめなスポットにやってきました。
大胆に広大な敷地を有する新潟県立歴史博物館です。
最近気づいたんだけど、全国にある歴史博物館の中には、さすがに歴史を扱ってるだけあって、昔の街並みなんかを再現している場所があるんですね。
しかもまるでその世界に入り込んだかのように、実物大でめちゃくちゃリアルに。
中でもここ、新潟県立歴史博物館の再現度には度肝を抜かれたので、期待してご覧ください。
館内は企画展と常設展があるんだけど、注目はもちろん常設展。
結構広いし内容も充実しているので、時間には充分余裕をもって挑もう。
なんてったって新潟県の長い歴史を学ぶのですから。
まずはお決まり、新潟のあけぼのから。
歴史の教科書の1ページ目で見たような、発掘された縄文土器をいろいろ紹介。
その後も古代・中世・近代と時代が進むにつれ、人が増え、まちができ、産業が発達しながら社会が動いていく様子を紹介。
なじみのない土地なのでいまいちピンと来ないですが、知ったような顔してふむふむ見て回ろう。
新潟の歴史を学んだ次は、新潟では欠かせない雪とくらしのコーナー。
ここからがすごいのよ。
ほらもう、プロローグから雪みたいなトンネルでできてて、気合入ってんのがわかるでしょう?
奥へ進むと
うひょ~!!なんだこれ!!
ここは昭和30年代初頭の高田の雁木通りの様子を徹底的に再現。
しかも並んでいる店は店内もしっかり作りこまれていて、さらに店内に入れるんだからすごい。
まずここは荒物・雑貨屋さん。
床には木や竹で作られた箱や桶、樽が積まれ、頭上にもカゴやタワシがたくさんぶら下がっている。
博物館でありがちなのは、当時使われていた古物を引き取って展示してるのをよく見るけど、これらは見た感じ新品だし新しそうなので、現代にこれのために作られたものなんだろうけど、当時を再現という意味ではこれが正解だよね。
隅から隅までぜーんぶが本物。
しかもその物量がすごいじゃない?
1つ2つ本物を並べて、そのほかは偽物なんて中途半端なことは許さない!という情熱を感じる。
亀の子たわしが紙に包まれ吊るされている。
たわしそのものを見かけなくなったけど、こうして売られていたんだね。
石鹸や洗剤などが陳列された棚。
これもデザインは古いけどパッケージは新しそう。
実際にある古い商品をコピーして作られたのかな?
おばあちゃん家でも見たことがないような、懐かしいを通り越して全然知らないものもちらほら。
ふとん叩きにはたきなど、生活になじみすぎている日用品って博物館でもなかなか見ないから、見つけると嬉しい。
トムとジェリーでしか見たことない、すごい威力で挟みそうなネズミ捕り。
捕まったネズミを回収するのがイヤだな。
高級御料紙(文字を書く紙)
その名も波動
名前が良すぎる。
続いて隣のお店にもお邪魔してみましょう。
隣は駄菓子屋さんです。
ぬおおおお
この木枠のガラスケース最高じゃん。
奥からよぼよぼのばあさんが出てきそうだな~
パンパンに詰められた駄菓子と駄玩具。
私が小学生だったおおらかな時代、こうゆう店で買うお菓子は賞味期限が切れてたな~懐かしい~
壁には駄玩具もズラリ。
みんなもってとばしてる
いちばんよくとぶグライダー
など、子供だったら一撃で欲しくなる宣伝文句にグッとくる。
そしてこちらは下駄屋さん。
ズラリ並んだ下駄と、隣には下駄を作るスペースも。
昔は店で作って売ってたんだね。
ちゃんと作りかけのものも置かれてて、職人やお客さんの姿が見えてくるよう。
そして2階に上がると、広い空間を使ってダイナミックな雪下ろしのシーン
この雪の下が実はさっきの雁木通りになっていて、隙間から下をのぞくと店も見える。
なるほど、雪がめちゃくちゃ降っても雁木のおかげでなんなく買い物ができるってわけね。
教科書なんかで説明されてもフーンと素通りしてしまうことも、こうして実物大で体験すると理解が深まるよね。
屋根からおろされた雪は道路に積み上げられ、その上にはソリの通り道が作られたんだって。
現代は自動車の普及と除雪体制の整備で、こんな光景も見られなくなったとか。
現代の高田の様子がこちら↓今でも雁木を保存し街並みが維持されているので実際に見に行ってみよう。
雪のくらしコーナーが終わると次は、新潟といえば米作りのコーナーへ。
これは低湿地帯の水抜きのシーン。
めちゃくちゃ大掛かりな人力の工事であったことを、パネルだけでなく実物大で再現。
このコーナーでもっとも重要なのがこちら。
サイノカミの藁人形。
あれ?サイノカミって聞いたことあるなーって方もいると思うんですが、そうですこれです。
ここではこういったように、男女一対の藁人形を作り、サイノカミ小屋の中に安置したあと、小屋と一緒に燃やし、豊作や無病息災を祈る行事があるとのこと。
地域や年代によって形は変わるようだけど、基本系は同じ。
各地回って違いを見たいですな。
これもサイノカミの一種、しょうき様と呼ばれる藁人形。
3月第2日曜に地区の人がしょうき様を背負って集落を回り、人々は各自の体の不調な部分が治ることを祈り、しょうき様の体の同じ部分に藁を差し込むんだとか。
そして横では、しょうき様の実物も展示。
うひょ~!!これはすごい!!
どっちが男でどっちが女かわかりやすく強調してあるのもサイノカミの特徴。
まつりの日に実際に立ち会ってみたいな~
米づくりコーナーが終わると今度は縄文人の世界が始まる。
ここもやたらリアルな仕上がりなので、あともう少し、がんばって!
ここではやたらリアルな縄文人が、四季の生活を営む様子を再現。
まるで本物のような魚や貝を、調理して食べる家族。
波の音が聞こえてきそう。
この時代の人々特有のポロリしちゃいそうな体勢も、絶妙に見えないじらしスタイル。
くぅ~!!
秋の広場と名付けられたスペースでは、森の中で生活する人々を再現。
たいていこうゆうところって、ガラス越しやロープで囲われてるなど人形には近づけないのが当たり前なのに、ここは縄文の世界観の中に入り込めちゃうってのがすごい。
場所が場所だけに、こどもたちに人形や家がボコボコにされるんじゃないか?と心配になるけど、最近のこどもはお行儀がいいのか、キレイに保たれていてすばらしい。
この家の中は真っ暗なのに目を凝らしてよく見ると、ちゃんと人形がいて生活している様子が作りこまれている。
外から見えないような部分なんて普通だったらなにも置かないよな~
誰が気づくんだよ?的な隅の隅、奥の奥にまで人や動物がいたり、壺や窯の中にもちゃんと食材や料理が入ってて、見つけるのがおもしろい。
わたしみたいな重箱の隅をつついたり、揚げ足取るやつがいるから徹底してるんだろうな。
お見事です!!
新潟県立歴史博物館
住所: 新潟県長岡市関原町1丁目字権現堂2247-2
TEL: 0258-47-6130
開館時間: 9:30~17:00
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、12/28~1/3
★★★お知らせ★★★
商店街好きの私が今まで巡りに巡ってきた300カ所以上の商店街から、選りすぐりの50をまとめた本「商店街さんぽ ビンテージなまち並み50」(学芸出版社)が発売中です!
商店街とその周りの見どころや、楽しみ方を紹介しています。
路地好き、レトロ好きに大好評!!
詳しくはこちらから↓
★ブログのFacebookページができました!
更新情報をお届けします!↓
BQ B-spot explorer