新潟駅から1.5キロ。
歩けない距離ではないけどちょっと距離のある位置に、かつて港町として栄えた歴史あるまち。
沼垂と書いて「ぬったり」という場所があるんですよ。
昭和の時代、近くには24時間操業する大工場がいくつかあって、あたりには商店街が広がり、そこの工員や家族などで大変にぎわっていたそうな。



そんな沼垂にあった市場通りも、平成の時代になると郊外にショッピングモールができたり、経営者の高齢化、後継ぎ問題など地方の商店街と同様にシャッターを閉める店が増加。
しかし、市場の向かいにある大衆割烹の店主が「商店街を生き返らせたい！」と手を挙げ、市場の建物を全部ひとりで買い取り、商店街を蘇らせたんですね。



それが、2015年に誕生したここ、沼垂テラス商店街。
古い建物の中に新しくておしゃれなお店が並び、今の時代にぴったりな姿に。
朝市なども行い、週末は近隣の若者でにぎわってるらしいよ。






現在は20店舗ほどの店が入り、どの店もおしゃれに次ぐおしゃれ。
おしゃれはおしゃれに集まるといいますからね。
新潟のトレンドはここから生まれるといってもいいでしょう。



奥に見える煙突が工場のある場所。
近くには赤レンガの倉庫や廃線跡が残っているそうだよ。



こちらの２階は流行りのコワーキングスペース。
１階は、この日はお休みみたいだけど、市場時代から営業を続ける青果店。



ショッピングセンターと違って商店街で不便を感じるのがトイレ問題。
しかしここにはきれいなトイレが違和感なくちゃんと完備されている。
すばらしい～！




端から端まで距離にして250mほどでわりとあっという間に歩ききってしまうんだけど、散策するにはちょうどいい距離なのかも。
昔の屋号がそのまんま残ってるところとか、市場の雰囲気も残していていいね。



最近はこうした古い建物をリノベして新しくておしゃれな店舗が入るっていうパターンよく見かけるけど、いい傾向だと思う～！
やっぱり誰かが使わなきゃ結局消えてなくなるんだからさ、とにかく商店街は残ってくれることが大事なのよ。
とはいえ、話題になるのも最初のうちだけで、数年経つと誰もいないということもよくあること。
続いていくためにもみんな、沼垂に行こう！！
さて、再生に成功した商店街も大事ですが、もっと重要な街並みがあるんですよ。
それがこの、商店街の裏側。



裏側に回ると、
なんだこれ！！！
小さな扉がズラリ並んでいるここは、飲み屋街だ！！
こんな絶景が商店街の裏にあるなんて！！！



どうですか？この光景。
左側が沼垂テラス商店街。
それと背中合わせで並ぶのがバラック飲み屋街。
市場側があんなにきれいにリノベされるなら、こっちなんてあっさり消えてなくなりそうなものを、手つかずで残ってるなんて新潟の心意気に感動。
も～好きになっちゃう！！



バラック飲み屋街ができたのは戦後のころ、就労支援のためにできたんだとか。
駅からずいぶん遠くても近くの24時間操業大工場のおかげで需要も多く、さぞにぎわってたんでしょう。




商店街側のおしゃれリノベ物件との対比が萌える。
この光景だけで飯３杯イケますな！



どの店も狭そうで、カウンターだけの、５～６人入ったら満席になるような店なんだろうな～
のれんと看板がズラリ並んでいたころを見てみたかったよね。



このちゃこが最後の一軒として現在でも営業しているとのこと。
この土地は新潟市のものらしく、ちゃこが閉店してしまったらいずれ解体され更地になってしまうとか。
ということで、沼垂テラス商店街とバラック飲み屋街は所有者がまったく別だから、そのまま残っていたというわけなんですね。
かろうじて残ってる今のうちにぜひ見に行って、表と裏のギャップを体感してみよう。
※2023年8月28日より残念ながら「ちゃこ」以外を順次取り壊しの予定。


沼垂テラス商店街

住所：　新潟県新潟市中央区沼垂東3-5




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