福島県二本松市にあるここ、安達ヶ原には鬼婆がいたという伝説が残ってるんですね。
それは町おこしのネタに使わない手はない!とのことで、ずいぶん前からこのあたりでは鬼婆を使った町おこしを実施中。
その本拠地といえる安達ヶ原ふるさと村へとやってきました。
園内はこんな感じで、どこにでもありそうなやや広めの公園。
2000年代は入園料千円を取って、鬼婆伝説を語るおばあさんロボが突然鬼婆に豹変したり、リアルマネキンが多数いたり、巨大オブジェのあるゲームセンターがあったりと、そのB級ぶりが楽しい施設だったようですが、現在それらはすべてなくなってしまいました。
現在は無料開放され、なんのおもしろみもない公園に。
公園におもしろさなんていらないという素直な気持ちを思い出し、我に返ったんでしょう。
自然豊かでお散歩するのにちょうどいいですね。
園内には養蚕農家の家や豪農の家が移築。
そのほかにも二本松市出身の作家によるコレクションを集めた先人館や、ちびっこたちのための遊具も設置。
観光客向けというより地元民向けといったところでしょう。
ちなみに鬼婆伝説ってどんな話かご存じ??
簡潔に言うと、むかしむかしあるところに、病気の姫に仕える乳母“いわて”がいました。
姫の病気は“妊婦の生きた肝”を飲ませれば治ると聞き、いわては安達ヶ原の洞穴にやってきました。
ある日、夫婦が洞穴に一夜の宿を求めに来ると、いわては泊めてあげます。
すると、妻が産気づき、夫は薬を求めて出かけてしまいました。
いわては「ラッキー!」とばかりに、生きた肝を取るため出刃包丁で妊婦の腹を裂きました。
息絶えた後、妊婦の持ち物を調べると、なんとその妊婦はいわての娘だったのです!
いわては自分の娘と孫を殺したことで気が狂い、鬼婆になってしまいました。
それから鬼婆となったいわては、夜な夜な旅人の足を止め、財宝を盗ったり、殺して衣服をはぎ取っては生活をしていたというお話。
のちに僧侶に退治され、近くの黒塚という場所に葬られたってことなんだけど、エピソードえぐすぎん??
そんな鬼婆をモチーフにしたのが、安達ヶ原ふるさと村のキャラクター、バッピーちゃん。
人殺しと思わせないくらいに、かわいくポップなキャラクターに仕上がっています。
しかしいまいちピンと来なかったのか、2020年からオニババプロジェクトが発動し路線変更。
それがこちら。
鬼婆をリアルにイメチェン!
そうだよね、もともと怖いイメージの鬼婆をかわいくしたって結局鬼婆なんだからさ。
鬼婆は鬼婆らしく、原点に戻ろうよ。
ふるさと村の入り口では大々的に鬼婆グッズをアピール!
ここさえ見れば鬼婆グッズのすべてがわかる。
もう、なに買うか決めた??
全国にさまざまなキャラクターグッズはあるものの、ここまで“怖い”に振り切ったものはなかなかないのでは?
せんべい、クッキー、まんじゅう、ラムネと、次々アイデアが浮かびあがり、鬼婆大喜利が止まらない様子。
どこかでタガがはずれたんでしょう。
鬼婆がプリントされた一番人気のオニババ煎餅。
1枚1枚個包装されてるから、おみやげで配るのに超便利!
わたしも買いました。
鬼婆のほかにやっぱりかわいげに未練があるのか、バッピーの絵柄の煎餅も。
また、今年はウサギ年だからと、鬼婆にウサギをかぶせたうさババ煎餅なんてのも。
早くも迷走を見せますが、来年はタツ年なのでどこまでかわいくなれるのか気になります。
食品だけじゃ飽き足らず、バッヂ、ヘアゴム、ヘアピン、クリップも。
こうなったらもうなんでもアリ!
思いついたやつ全部作っちゃえ!!
忘れないでと隅っこの方には、リアル鬼婆の勢力に追いやられるかたちでバッピーのグッズもしれっと陳列。
もはやふるさと村キャラクターの座は、リアル鬼婆に奪われたようなもんですな。
さらに!2021年には、鬼婆メニューも開発!!
以前はふるさと村内のレストランにあったようだけど、現在は道の駅「安達」上り線にあるのぼり食堂で食べられる!とのことで、これは行くっきゃない!
あったあった!鬼婆メニュー!!
鬼婆の押し入れからドクロをちょっと拝借…ドクロの揚げ豆腐が載ったドクロうどんに、やたら気合の入った世にも恐ろしいオニババ出刃ーグカレーなどなど。
これからも新メニューができそうでわくわくするなあ!
それでは早速、見た目もキュートなおにばばソフトを食べてみることに。
それがこちら
んんんんん???
当然できたてがでてきたのに、すでにクリームが溶けて、ワンレングス鬼婆になってる!!
こんなことある??見本とかなりクオリティが違うんですけど。
作る人が変わって鬼婆に対するモチベーションが下がったんでしょうか。
こちらは出刃包丁の形をしたこんにゃく「出刃こんにゃく」
包丁の形っていわれなきゃわかんないし、血をイメージした味噌をつける場所は刃の方じゃないと…背部の方につけてどうすんの…やっつけ感が否めない。
まだまだアイデアが尽きないオニババプロジェクト。
今後の活躍に期待してます!!
安達ヶ原ふるさと村
住所: 福島県二本松市安達ケ原4丁目100
TEL: 0243-22-7474
営業時間: 9:00~17:00
休館日: なし
道の駅「安達」上り線
住所: 福島県二本松市下川崎上平33-1
TEL: 0243-61-3100
営業時間: 7:00~19:00(のぼり食堂)
休館日: なし
★★★お知らせ★★★
商店街好きの私が今まで巡りに巡ってきた300カ所以上の商店街から、選りすぐりの50をまとめた本「商店街さんぽ ビンテージなまち並み50」(学芸出版社)が発売中です!
商店街とその周りの見どころや、楽しみ方を紹介しています。
路地好き、レトロ好きに大好評!!
詳しくはこちらから↓
★ブログのFacebookページができました!
更新情報をお届けします!↓
BQ B-spot explorer