整然としたまちなみが特徴の筑波研究学園都市に来ました。
このあまりにも人工的な作りは、異端ぶって猥雑なまちが好きとか言っちゃってる私にとってやっぱり落ち着かないですね。
とはいえ東京まで1時間で行ける立地でこの解放感はめちゃくちゃうらやましいな。
研究学園都市といえば綺麗な森の中に国立研究所がいくつも配置されたまち。
その中のひとつ、経済産業省産業技術総合研究所なんてお堅い名前の場所にある、サイエンス・スクエアつくばが今回の目的地。
敷地内に入るとまず入り口の守衛さんに止められて停車。
警備員を目にすると思わず逃げたくなる衝動を抑え、見学であることを伝えると、この通行証ってのがもらえて誰でも問題なく入ることができる。
サイエンス・スクエアつくばは入館無料!
館内はこんな感じで、経済産業省産業技術総合研究所(通称、産総研)で研究している最先端の科学技術をしこたま見学できる。
この日もどこかの企業や、かしこ大学の外国人留学生など、団体で見学に来る人が多い様子。
たとえばこちら。
遺伝子組み換え技術を利用して植物に医薬品など付加価値の高い物質を生産させる研究開発が進んでいる!というわけで誕生したのが、遺伝子組み換えイチゴからつくった「イヌ用歯肉炎軽減剤」。
イチゴから歯肉炎軽減剤ができるなんて、めがねかけてるってだけでインテリぶってる私には全く思いつきません。
産総研、どんだけかしこいねん。
こちらは身体をほとんど動かすことができない人の意思伝達手段として、脳波と機械をつなぎ、寝返りをしたい、歯磨きをしたいなどの意思を伝える、ニューロコミュニケーター。
こういった、今までできなかったことができるようになる機械はどんどん進化してってほしいよね。
こちらは人型ベンチワークロボット、まほろ。
めんどくさい手作業をノーミスで続けなければならない仕事を、人間の代わりにやるとのこと。
こういうロボットがやがて人間の仕事をぶん取り、人間たちは仕事がなくなるなんて脅されてるけど、実際のところどう?
ロボット、全然仕事取りにきてなくない??
早く奪いに来てよ、こちとら仕事なんてしたくないんだからさ。
こちらも人間の代わりに働くロボット。
身長154cmの体重58キロなんだって。
体型ほぼわたしなんだけど??
そして、ここで一番注目で、みんなの身近にもっとも必要とされそうなのがこちら。
アザラシ型セラピーロボット「パロ」
パロのモデルはタテゴトアザラシ。
当初は犬や猫のロボットも試作されたんだけど、よく知ってる動物だと違いを粗探ししてしまい、ロボットの評価が下がることに。
そこで、アザラシは知ってるけど実際に見たり触ったりしたことない…それくらいの距離感がセラピーロボットにはちょうどいいらしい。
アザラシの赤ちゃんだったら、甘えるようにジタバタしてるようすに、素直にかわいいって思えるでしょ?
って説明の最後はまさかの、共感を求める質問形。
言い切らないあたりに、人間の精神を扱う難しさが透けて見えます。
パロの開発は1993年から始まり現在で9代目と、改良に次ぐ改良。
今回大きく変わったのはバッテリー!
1回の充電で動かせる時間がとても長くなりました!
さらに毛皮は抗菌から制菌にかわり、より衛生的に!
と、動物をモチーフにしてるわりに、やたらロボットらしい改良点。
やはりロボットは動物を越えられないんですね。
パロは世界でもっともセラピー効果があるロボットとしてギネスブックに登録。
精神的な病や認知症の患者さんが接することで、苦痛や不安、ストレスを和らげる効果があり、薬の投与が減ったり、睡眠が改善したりなど、心のケアに大変役立っているとのこと。
もしかして開発のきっかけはかつて筑波研究学園都市の研究者に多く見られたノイローゼ(筑波病)と関係あるんでしょうか。
世知辛い今の時代、私たちにもっとも必要なのはパロに違いありません。
パロは体長57cm、体重2.5kg。
バッテリーは1時間半の充電で8時間もち、モーターは目に2つ、首に2つ、前足に2つ、後ろ足に1つと、合計7つ搭載。
人間の声を聴く耳にはマイクが仕込まれ、体にはどこをどんな風に触られているかわかる触感センサーと、抱っこされたことがわかる加速度センサーが。
鼻には光センサーがあり、明るい光があたると「まぶしい!」と顔をそむけ、また、ヒゲは特に敏感で触られるのがキライという、動物と同じ特徴を持つ。
そしてもっとも特徴的なのが、パロが咥えるおしゃぶりとコンセントをつなぐコード。
このおしゃぶり型コードがなんと充電器になっている。
なるほど!これならアザラシっぽい!
いや、このコードがより一層ロボット感を際立たせてるでしょ。
それでは実際に鳴いて動く!パロちゃんを見てみましょう。
めちゃくちゃロボットらしい動きと、実際にカナダまでいって録ってきたというタテゴトアザラシのリアルな鳴き声に注目です。
最後に気になるお値段ですが
メーカー1年保証メンテナンスパックなしで42万円!
メーカー3年保証メンテナンスパックありで49万円!
日ごろから心が不安定とお悩みの方、ぜひ一度お試しください!
ついでにもう1か所、ロボットが見られる場所がこの、つくば市民ならここへ来れば知り合いの誰かに遇うといわれている巨大ショッピングモール、イーアスつくばの中に。
それがここ、サイバーダインスタジオ。
誰もおらず、めちゃくちゃウエルカムな雰囲気に早速入ってみましょう。
中に入ると、わ!!なにこれ!
ターミネーターじゃん!!
続いてアイアンマンにエヴァンゲリオン。
好きな人なら泣いて喜ぶかな??
こちらは展示のメイン、装着することで重いものを持ったり運んだりを簡単にできちゃうスーツ。
こういうのを装着した時ついつい、戦隊ものヒーローみたいなポーズとっちゃいがち。
それにしても、このまちにある建物ってなんでもかんでも面積が広くて、広さのわりに内容量が見合ってないとスカスカ感が否めない。
ここも、もともとこの展示量なのか、かなり減らされてこうなったのかわからないけど、とにかく広すぎて、つぶれる間際のショッピングモールみたい。
それなのに隅っこに追いやられている名もなきロボットたち。
なんの説明もないけど、これは展示しているの?
それとも片づける場所がなくてここに置いてるの??
ロボットといえばやっぱりこういう形でしょ!
ロボットのデザインにもレトロ感があってかわいい。
この広いフロアを掃除するために雇われた、お掃除ロボットも隅っこでスタンバイ。
誰もいないフロアでこれだけ動いてたら、とんだデストピアだな。
サイエンス・スクエアつくば
住所: 茨城県つくば市東1丁目1-1
TEL: 029-862-6215
開館時間: 9:30~17:00
休館日: 月曜日
サイバーダインスタジオ
住所: 茨城県つくば市研究学園5丁目19 イーアスつくば2階
TEL: 029-828-8282
営業時間: 10:00~21:00
定休日: なし
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