熊本県第2の都市、八代市。
工業で栄えるこの地に、是が非でも行ってほしいところがあるんですよ。
まちの中心部からほど近いスナック街の一角に、ひときわギラギラときらめく幻のネオン。
それが、キャバレーニュー白馬
きゃーん!!!遠くからでも見える白馬の文字!
これをこの目で見たかったのよ!!
ちゃんとネオンはチカチカと点滅していてひとつも切れていない!!
ネオン管なんてどこも消えてるのが当たり前なこの時代に、全部点いてるってすごすぎない?
え?わたし、ついに欲望が強すぎて、夢の世界が現実化してる?
その証拠に動画をご覧ください。
ね?これだけド派手に点滅してるネオンなんてほかにないでしょ?
感動して涙出ちゃう!
入る前から見てよこの妖艶な入り口。
すでに興奮が止まらないでしょ?
入り口だけでごはん3杯イケんじゃない??
キャバレーなんてわたしたちみたいな底辺の人間にとっては敷居が高いなーってここまできて逡巡しちゃうけど、ここまで来たからには覚悟を決めてエイヤッ!と入店しよう。
ガガーッと扉が開くとスーツ姿のマダムがにこやかにお出迎え。
システムを聞くと80分で女性は1人4000円、2人以上だと1人3000円で飲み放題、歌い放題とのこと。
思ったよりめちゃくちゃ安い!
※ちなみに男性は1人5500円、2人以上だと1人5000円、5人以上だと1人4000円になるとのこと。
これは大人数でワイワイ行くに限る!
床には真っ赤な絨毯が敷き詰められ、頭上にはシャンデリアが輝く。
これこれ!このレトロなゴージャス感!!こういうのを求めてました!!
最近流行りの“レトロ調”なんかじゃない、手つかずの自然、最後の秘境、ここにあります!!
ニュー白馬は斜面に作られてて、入り口があるここは2階部分。
フロアは1階にあるんだけど、かつてはこの2階部分にも客席があったらしく、現在は壁でふさがれている様子。
ニュー白馬は昭和33年に創業。
当時は下積み時代の歌手や芸人がステージに立ち、階段には思い出の写真が多数。
ちょうどソファで休憩中だった代表(先代の甥)に解説していただけることに。
写真の中に知ってる人いるかな??
右上の椅子に座っている2人の写真、左は、デートに誘われて困っちゃう山本リンダ。
右は創業者である先代の奥さん。
中央下、3人座ってる写真の真ん中にいるのが、モノマネされがちな演歌歌手、美川憲一。
中央下、3人並んでる写真の真ん中は、この八代市出身の八代亜紀。
その両脇にいるのが先代とその奥さん。
なんでも、八代亜紀が初めてステージに立ったのがニュー白馬なんだとか。
そりゃすごい!!
そのほかにも、淡谷のり子、梅宮辰夫、東海林太郎という、いまや伝説となってしまった歌手や俳優の若かりし頃がズラリ。
どの人もザ・芸能人というオーラが出ててかっこいいな~!!
ステージでは週の半分は、こういったまだ売れてない歌手の歌謡ショー、もう半分はヌードショーをやってたんだって。
いい時代だな~
さていよいよ客席のあるフロアへと続く階段へ。
ドキドキしながら下りていくと
わ!
わわ!!
ななななんだこれ~!!!
めちゃくちゃステキすぎて気絶しちゃう!!
席に着くやいなや、おきれいな美魔女ホステスさんまでついてくれて歓喜!!
注文はお酒はもちろん、ソフトドリンクも用意。
酒が飲めないわたしは、八代市特産の晩白柚(ばんぺいゆ=世界一巨大な柑橘)の炭酸割りをいただくことに。
はっさくみたいなちょっとの苦みとさわやかな酸味で非常に美味~!!
さて、まずは店内の隅々まで堪能していこうじゃないの。
壁は全面鏡張りなため広々として見え、照明が反射してより一層幻想的かつ明るく見えるつくり。
キャバレーといえばやっぱりこのベロアの生地にオリエンタルな柄のソファ。
カバーには「WHITE HORSE」の刺繍付き。
カーブを描いた優雅な席で、両腕に美女を囲んでみたいな~
客席の天井は低く、ステージから見ると暗がりになっていてよく見えないつくり。
昔は接待でよく使われていたとのことだけど、この秘密めいた雰囲気だけでいかがわしいストーリーが見えてくるな~
ステージの前はダンスフロアになっていて、今でも時々ダンスのイベントが開かれている様子。
客席よりダンスフロアは一段下がっていて、段差がわかるように間接照明が光るやさしさも。
ここ一番の見どころといえばこの存在感たっぷりの巨大なシャンデリア。
これは先代が大阪まで買いに行ったとき、すでにこのシャンデリアには買い手がついてたんだけど、どうしても欲しい!倍の値段出すから売ってくれ!!と無理やり買ってきたものだとか。
そのためこれだけは絶対残せ!と言われ、改装してもこれだけは今も光り続けているとのこと。
さすが昭和の男は豪快でかっこいいですな~!
ほかにもいろんなタイプの照明が照らす店内。
どれも現役でちゃんと光ってるのがすごすぎる。
維持費だけで気を失うくらいの金額なのでは??
頼むからみんな、ニュー白馬へ行ってくれ~!!!
昔はお客さんがパンパンに入っていたため、席に座れず階段にも座っていたとか。
写真では見えにくいんだけど、階段周りの金物は先代がデザインしたオリジナル。
店内の随所にこだわりが詰まってて、それを知れば知るほどここの大切さがわかり愛おしい。
店内の妖艶さを一層際立たせる、床にはめ込まれたレインボーカラーのライト。
これも切れてるところがひとつもなく、全部光ってるの、すごくないですか??
客席の一番奥にはバーカウンター。
ここも大人な雰囲気で胸キュン。
さて、しこたま店内を楽しんだので、そろそろステージに立って歌ってみよう!
キャバレーのステージではカラオケで歌うのが現在の主流。
しかしニュー白馬ではなんと、専属のバンドが演奏してくれるんです!
しかもこれ、21時から毎日やってるって!!
今って21世紀だよね??信じられない!!
ここから選んでね~と渡された目次本を見ると
ちあきなおみ
大月みやこ
五木ひろし
藤あやこ
美空ひばり
山本譲二
鳥羽一郎
細川たかし
キムヨンジャ・・・・・
やばい!知ってる曲が全然ない!!
しかもタイトルで並んでいるため、聞けば知ってるかもしれないけど、タイトルわかんない。
なんとか知ってる昭和歌謡を記憶の引き出しから蘇らせ、ひねり出すことに。
とはいえ、なぜかサザンオールスターズや氷川きよしなど比較的新しい曲もあって、なに基準で選ばれているのか謎。
ちなみに生バンドタイム以外の時間はカラオケで歌うことができる。
新しい曲を歌いたいときは、カラオケタイムに熱唱可能。
歌う前は「え~?人前で歌うなんて恥ずかしいし~」なんて言っていた私たちも、いざ歌い出すとだんだん楽しくなってきちゃって、歌い終わったころには「次なににしようかな~?」と調べ出す始末。
これはとんでもなく気持ちいい!!!
わたしも結局、石川さゆりの天城越えと、ザ・ピーナッツの恋のフーガを熱唱。
このゴージャスな空間で、生バンドが私のために演奏してくれるなんて、しあわせの絶頂~!!
もう今死んでもいい!殺してくれ~!!
こちらも思い出の写真。
かつてはホステスが40人~50人くらいいて、アジア系や東欧系の外国人もいたとのこと。
しかし今はコロナもあったりなんかして、ホステスさんはわずか3人ほど。
現在スタッフ募集中!さあ、あなたもこのすばらしい空間で働いてみませんか??
こちらは晩白柚(ばんぺいゆ)を持つ友近さん。
今も時々撮影に使われたり、芸能人が訪れることもあるようだけど、もっと多くの人に知ってもらい、使ってもらわなきゃもったいない!!
頼むからみんな早くニュー白馬へ行ってくれ~!!
朝になりました。
明るい時間のニュー白馬も見ておきましょう。
ギラギラと輝いていたネオン。
白馬の上には見えにくいけどC&Dと書かれていて、これはキャバレー&ダンスホールの意味らしい。
パーティーやイベントなどで使うのも大歓迎!
イベント主催するみなさん!ニュー白馬でお願いします!!
みんなも近いうちに、ニュー白馬へ絶対行くように!!
忘れられない夜になるから~!!
キャバレーニュー白馬
住所: 熊本県八代市本町1丁目13-9
TEL: 0965-33-3211
営業時間: 20:00~0:00
定休日: 日曜・月曜
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